空き家バンクのしくみ
空き家バンクとは少子高齢化に伴う人口減少と、若者の都市部への転出で、地方が過疎化することに自体を重くみた自治体が、問題を解消するために作った制度です。
主に自治体が主体となって運営しており、利用者のいない家を貸し出したい所有者と、地方に安い家賃で住みたい希望者をマッチングする仕組みとなっています。
一般的に賃貸を利用する場合、不動産会社に仲介してもらい家主と契約して部屋を利用することになりますが、性質的にはこれと変わらないものとなっています。
自治体の運営という理由もありますが、地方の活性化を願うことを目的としているため、空き家バンクの実態は営利を目的としておらず、利用するのに特別な費用などがかかることはありません。
自治体の制度
地方自治体が空き家の所有者と利用希望者の間に立ち、三者で相談しながらメリットを模索していく空き家バンクは、不動産会社の仲介料などが発生せず、少ない費用で行えるのですが、実際には利用者が少なく結果が芳しくないという状態です。
これは、自治体が大々的に行っているにもかかわらず、多くの人に認知されていないことに起因しています。
また、利用する人の中には様々な選択肢が用意されていることから、空き家バンク以外の方法を選択する理由のひとつとなっているのです。
自治体ではせっかく作り上げた制度を利用してもらいたいという気持ちと一緒に、移住者を増やしたい考えから、希望者が納得して利用できるよう様々な制度を設けています。
空き家バンクに登録しても古い家屋のため見た目が悪く、いまにも倒壊しそうな雰囲気を持っていたら希望者も敬遠してしまうため、改修する必要があるのですが、簡単に費用を用意するのも難しいものです。
そうした所有者の都合に合わせ、改修に伴う費用を補助する制度が用意されています。
これ以外にも固定資産税の減額や契約成立の際の奨励金の支給、移住者への補助として一定期間の家賃の一部負担など、様々な制度が組み込まれているのです。
空き家バンクは各自治体が運営するため、利用できる補助制度は地域によって異なってきます。
空き家の所有者が登録するにしても、希望者が空き家を探すにしても、まずは職員に内容を確認することが大切です。
空き家バンクの利用手順
空き家を所有している人が制度を利用するには、まず自治体が紹介するための情報をまとめなくてはいけないため、連絡をとって登録の申し込みをしなければいけません。
書類で申し込みをすると、所有者立ち会いのもと物件の調査を行い、問題がなければ登録となります。
物件の登録が完了したら、自治体のホームページで情報の提供を行い、希望者が出れば交渉や契約を開始します。
空き家バンクを利用して移住希望となっている人の場合は、まず利用希望登録を行い、自治体の職員と相談して具体的な条件を検討していきます。
条件に合致する物件があれば、職員がそれらを仲介してくれるので、物件を実際に見て気に入った時点で所有者との契約が始まります。
所有者は特に不動産を取り扱ったことがなくても、職員がおおよその流れを指示してくれるため、難しい用語を覚えたり、複雑な処理をする必要はありません。
不動産会社を利用した賃貸契約と似たような流れで、基本的に自治体が進行をつとめるので、移住希望者も同様に所有者と直接的なやり取りをする必要もないのです。
交渉や契約の難しいところは職員に任せて、所有者は物件を提供するだけ、移住希望者は賃貸契約を結ぶためと考えておけば問題ないでしょう。
ちなみに、自治体から委託した団体を利用した交渉および契約の場合は、別途仲介手数料が発生する可能性があります。
空き家バンクが非営利目的であるため、手数料はそれほど高額ではありせんが、お金の準備だけはしておいた方が良いでしょう。