
2025年3月1日、日本のMLM業界に激震が走りました。
健康食品や美容製品を販売していたモデーアジャパンが突如として日本国内での事業終了を発表。
会員制のネットワークビジネスとして多くの登録者を抱えていたモデーアの撤退は、関係者はもちろん、MLM業界全体に大きな衝撃を与えました。
この記事では、モデーアジャパンの事業終了の理由から、業界全体への影響、今後の展望までを詳しく解説します。
モデーアジャパン事業終了!その理由と背景とは?
モデーアとは?
モデーア(Modere)は、アメリカ・ユタ州に本社を構えるライフスタイルブランド企業です。
スキンケア、パーソナルケア、栄養補助食品、家庭用製品などを中心に展開しており、「安全・クリーン・サステナブル」をテーマにした製品づくりが特徴です。
モデーアのビジネスモデル(MLM方式)
モデーアの最大の特徴は、MLM(マルチレベルマーケティング)方式のビジネスモデルです。
◆ ビジネスの仕組み
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個人が会員登録(ディストリビューター)
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製品を購入し、他人に紹介・販売
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自分が販売した分の報酬+紹介した人の売上の一部(グループ報酬)を得る
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下位に多くの会員を持つことで報酬が増える「階層構造」
◆ モデーア独自の制度:「シェア&アーン」モデル
モデーアでは、他のMLMと比較して「ソフトな勧誘」が特徴で、SNSや紹介コードを通じて手軽に紹介・販売が可能でした。
この仕組みを「Share & Earn(シェア&アーン)」と呼び、従来の強引な勧誘のイメージを払拭することを目指していました。
◆ 登録費用と購入ノルマ
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登録費:無料〜数千円(キャンペーンで無料になることも)
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月間の自己購入額が一定以上でないと報酬がもらえない「ノルマ」制あり
このノルマによって、「収入を得るために商品を自腹で購入する」ケースが生まれ、最終的に在庫を抱えるリスクを抱える人も多くなっていました。
2023年1月時点では登録人数は200~300人程度だったと大井盛夫社長が述べています。
事業終了の発表タイミングと主な理由
2025年3月1日、公式サイトにて日本市場からの撤退を発表。事前の告知はなく、突然の通達に多くの会員が驚きを隠せませんでした。
そして4月12日に突然、事業を終了した。米国親会社のモデーア(本社ユタ州、ネイト・フレジャー社長兼COO)も事業を終了しており、展開している国・地域全てが業務をストップしているようです。
同社が法的整理の手続きを行っているかは、現時点で明らかにはなっていません。
公式ホームページには、以下のメッセージが記載されています。
「これまでの旅路に感謝します
23年間、愛するコミュニティの皆様にご愛顧いただき、誠にありがとうございました。このたび、私たちは事業を終了するという難しい決断をいたしました。
長年にわたるご支援、ご信頼、ご愛顧に心より感謝申し上げます。初期からのご利用者様も、最近知ってくださった方も、私たちの物語の一部になっていただき、ありがとうございました。
Modere一同、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」
このメッセージは日本語以外に、イタリア語、フランス語、ドイツ語など計6か国語で記載されておりました。
果たして、会員への報酬や注文商品の発送や問合せなどの対応はどうなるのでしょうか。
◆ 主な理由とされる要素
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売上の伸び悩みと市場の飽和
他社との競争が激化し、既存顧客のリピート率も減少。 -
法規制の強化
特定商取引法の改正で、MLMの勧誘手法に厳しい制限がかかり、新規参入が難しくなっていた。 -
消費者のMLM離れ
ネット通販や口コミレビューの普及により、MLM商品への信頼性が相対的に低下。
MLM業界に激震!モデーア撤退が示すネットワークビジネスの限界
モデーアの撤退は、単なる一企業の終焉ではなく、MLMビジネスモデルの限界を象徴しているとも言えます。
特に日本市場においては、「もうMLMでは稼げない」という声が以前から強まっていました。
◆ 限界が露呈したポイント
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成功者がごく一部で、「稼げない層」が大半
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勧誘に対する社会的なイメージの悪化
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SNSでのネガティブな拡散リスクの増加
今や「副業=MLM」という時代ではなくなり、代替となる副業(EC、アフィリエイト、動画配信など)に人材が流出しているのも大きな原因です。
モデーア会員は今後どうなる?解約・返金・今後の動向まとめ
モデーアジャパンが2025年3月に日本市場からの撤退を発表したことで、これまで活動していた数万人規模の会員、いわゆるディストリビューター(販売員)に大きな影響が及びました。
報酬システムの停止や契約解除、在庫商品の扱いなど、様々な不安を抱える方も多く、公式発表に基づいた正確な情報の把握が重要です。
公式に「一定期間は問い合わせ対応や返品・返金を行う」と発表しましたが、ユーザーからは「連絡がつながりにくい」「手続きの方法が不明」などの声が上がっています。
◆ 【自動解約】3月末をもってすべての会員契約が終了
モデーアジャパンは、公式発表にて「2025年3月31日をもって、すべての会員契約を自動的に終了」すると明記しました。
このため、個別に解約手続きを行う必要はありません。自動的にシステム上の会員資格が失効し、それ以降はディストリビューターとしての活動(販売・紹介・報酬の獲得)は一切できなくなります。
💬 注意点
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会員資格が終了しても、個人情報や購入履歴は一定期間システムに保存されるとされています。しかし、現在では事業が終了している為、閲覧不可の可能性。
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過去の未払い報酬がある場合は、清算が行われるかどうかを確認する必要があります。
◆【報酬の停止】収入はゼロに、未払い分は要チェック
3月末日以降、モデーアからの報酬支払いはすべて停止されます。
すでに確定していた報酬については、事業終了に伴い3月中に最終支払いが行われたとされていますが、万が一「支払われていない」「計算と異なる」といったトラブルがある場合は、顧客サポートに早急に連絡する必要があります。
◆【返品・返金対応】未開封商品のみ、期限に注意
事業終了に伴い、返品・返金制度も期間限定で設けられています。
対象となる条件
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未使用かつ未開封の商品に限る
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購入日から一定期間内であること(例:90日以内)
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公式オンラインストアまたは正規ルートで購入されたもの
返送の際は、購入明細書のコピーや返品申請書の同封が必要になる場合があります。
また、送料は自己負担となる可能性があるため、返金額との差額に注意が必要です。
返品受付の締切
公式には「2025年6月30日まで」と案内されていますが、受付件数の増加により早期終了の可能性もあるため、早めの対応が推奨されます。
◆【顧客サポート】サポート窓口は6月末まで対応
モデーアジャパンは、2025年6月30日までカスタマーサポートを継続する方針を示しています。
電話・メール・オンラインフォームなどで問い合わせを受け付けており、返品対応や報酬に関する問い合わせ、不明点の確認などに対応してくれます。
ただし、事業終了に伴いサポート体制も縮小されており、回答までに通常より時間がかかる場合もあるため、余裕を持って連絡しましょう。
◆【「乗り換え勧誘」に要注意】焦りは禁物、冷静な判断を
モデーアの撤退を受けて、SNSや知人を通じて、他のMLM企業から「乗り換え勧誘」を受けているという声が相次いでいます。
たとえば、
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「今なら優遇ランクで入会できる」
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「モデーアより報酬率が高い」
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「成功者がみんな移籍している」
といった甘い誘い文句で、新たなMLMに勧誘されるケースが目立ちます。しかし、多くのMLM企業は基本的なビジネス構造がほぼ同じであり、「次こそ稼げる」と思っても、同じ結果に終わる可能性が高いです。
被害者はいる?モデーアジャパン終了で問われるMLMの倫理性
MLMビジネスは合法である一方で、その勧誘手法や過剰な期待を煽る宣伝が問題視されてきました。
今回のモデーア終了をきっかけに、ネット上では以下のような声が多く見られます。
◆ よくある問題点と批判
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「月収100万円になれる」といった誇大表現
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高額商品を在庫として抱えるように勧められる
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友人や家族との人間関係の悪化
こうした構造的問題により、被害を訴える人も少なくありません。モデーア終了は、今後MLM全体の倫理的な見直しを迫る契機になるかもしれません。
今後もMLMに未来はあるのか?
MLM(マルチレベルマーケティング)というビジネスモデル自体は、世界中に存在しており、今後も一定数は続いていくと予想されます。
しかし、日本市場では以下のような傾向が見られています。
- ビジネスモデル自体は継続、だが変化が必須
MLMがすべて違法というわけではありません。合法的な範囲での運営がされている企業も存在しますが、今後は「誰でも稼げる」といった曖昧な表現では通用しなくなると見られています。
- 消費者目線で「本当に欲しい商品」が求められる
MLMでもっとも重要なのは、商品自体に魅力があること。商品力がないままビジネスだけを広げようとするモデルは淘汰される時代に入っています。
- 透明性・オンライン化・教育の整備が生き残りの鍵
信頼できる情報開示、オンラインで完結する仕組み、正しい教育体制。これらを整備した「新しい形のMLM」でなければ、若年層からは支持を得られないでしょう。
まとめ
モデーアジャパンの撤退は、ネットワークビジネスが今後どう変わっていくべきかを問う重要な出来事でした。
これまでの「紹介して稼ぐ」スタイルが限界を迎え、今後は透明性・倫理性・本質的価値のある商品提供が必須となる時代です。
副業や起業を考えている方は、「自分が本当に信じられるものか」を軸に判断することが、失敗しない第一歩となるでしょう。